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編集長のブログ110 第3回歯初診・か強診等のための講習会(2/8)

昨日、東京・高田馬場で開催された「第3回 歯初診・外来環・歯援診・か強診のための講習会」に、東京歯科保険医協会様のご厚意により、スタッフとともに参加させていただきました。
4人の講師の先生による5時間半にわたる講演は、幅広い視点からこれまでの歴史も踏まえた最新の情報と未来への方向性を示した非常に価値のある内容でした。



馬場安彦先生の講演では、小児に対して「発達過程に合わせたステージ別の評価と口腔機能管理が必要」であると説かれました。まさに弊社最新刊『成長・発達期における不正咬合の早期治療』(佐藤貞雄・白数明義ほか著)の目指す趣旨と合致します。
また、高齢者に対しては、「口腔機能低下症」という新たな病名が付けられるようになり、ライフステージに応じた口腔機能が求められていることをお話しくださいました。

繁田雅弘先生は、精神医学講座教授のお立場から、高齢者のうつ病と認知症等について疾病の基本的な構造や患者さんへの対応の仕方について、ポイントを示してくださいました。
なかでも、認知症になっても情緒や人格は変わらないこと、また日本は身体的拘束には注意が向けられるが、精神安定剤の投与も欧米では「拘束」の一種として捉えていることなど、医療の厳正な本質を教えられました。

森元主税先生の講演では、訪問歯科診療の需要が今後ますます高まることがよくわかりました。多職種が関わる訪問歯科診療は医療者側としては苦労が多いですが、高齢者の最大の楽しみは「食事」です。人生の終盤を幸福に過ごしていただくために、歯科の果たす役割は非常に大きいです。

総義歯ならば本人や介助者でも着脱が可能だけれど、パーシャルだと果たしてできるのか?というお話は心に残りました。歯を抜かない歯医者が良い歯医者だと言われてきたが、人生の終末期には歯を適切に上手に抜くことのできる歯医者が必要になります。
これは、弊社発行の『噛めない義歯を噛めるようにする技法』の著者・川原田幸三先生がずっとおっしゃっていたことなので、よくわかります。

最後は、坂下英明先生が院内感染対策や緊急時の対応、医療事故等の対策について、過去の事例を紹介しながら、現在求められている水準をお話しいただきました。
スペイン風邪から昨今恐れられている新型コロナウイルスまでわかりやすく網羅し、有名なキンバリー事件やご自身が鑑定人として関わった歯科医療事故訴訟のお話まで、非常に興味深く受講させていただきました。



百数十人の受講生の先生方も皆さん、熱心に受講されていました。
講習会を終えて、私が強く感じたことは「歯科は進んでいる!」ということです。進歩・進化のスピードが速く、非常に高いレベルに向かっているのです。これは本当に頼もしい限りです。同時に、私も遅れずについて行かなければと身を引き締めました。

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