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編集長のブログ150 MGAを加えれば「新・吉田の分類」が完成か

昨年、弊社より発刊された吉田渉先生の『お口の取扱説明書―健康でいたければよく嚙むのをやめなさい』は、タイトルの斬新さからも読者の注目を集め、お陰様で初版第1刷が在庫僅少になりつつあります。

私たちは、子どもの頃から「よく嚙んで食べなさい」と教育されてきました。しかし「よく嚙むこと」イコール「強く何度も嚙む」と解釈してしまったため、よく噛むことによりお口を破壊し、ひいては全身の健康を損なう現状に警鐘を鳴らしたのが、上記単行本「お口のトリセツ」(略称)です。
本書では、患者さんのタイプを仕分けた「吉田の分類」をベースに、各タイプごとの対応をまとめています。
ただし、患者さんの多くは明確な区分はしにくく、境界型も多いため、本書の読者の先生から編集部に「吉田の分類」についての質問が寄せられ、吉田先生から回答をいただいたケースもありました。

そんななか、今月発刊の「季刊歯科医療 2023年春号」の原田幹夫先生の論文「咬合力が強すぎる患者をひと目で見抜く方法」が掲載されました。
すなわち、パノラマエックス線写真から読み取ったMGA(Modifide gonial angle)により咬合力の強さを見抜く指標とする手法です。
いわゆるエラが張った、顎ががっちりした人(ホームベース型や四角い顔)は咬合力が強くなりがちです。咬合力計を持たなくてもパノラマはほとんどの歯科医院で保持しているため、咬合力の強さをMGAで見抜けるというわけです。



そして、口腔内を診査すると、歯の摩耗でプラシキズムがあるかどうかも見てとることができます。原田先生は、MGAが120度より小さいと咬合力が強く出るとして、ブラキシズムの有無とMGAの大小の組み合わせで、歯の破折リスクを診断されています。

この原田論文の展開に、私は思わず膝を打ちました。吉田の分類にこの原田先生のMGA理論を加味すれば、「新・吉田の分類」として最強ではないかと。
人は数字による説明には、納得しやすいところがあります。吉田先生が「健康でいたければよく嚙むのをやめなさい」という信念のもと、これまで培ってきた患者さん指導術に加え、「あなたのMGAは110度だから、歯が破折する恐れがありますよ」と言われれば、さらに効果が上がるのではないでしょうか。
まだまだ発展していく可能性を秘めた吉田渉先生の「お口のトリセツ」です。

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