ホーム > お知らせ > 編集長のブログ64 日歯連盟事件が冤罪ならば・・・春は来る

編集長のブログ64 日歯連盟事件が冤罪ならば・・・春は来る

本ブログで取り上げようと思いながら、なかなか書けなかったテーマがあります。
係争中だった日歯連盟の迂回寄付事件で、今年1月22日、当時の会計責任者であった村田憙信先生に有罪判決が出されました(現在、控訴中)。

この事件については、私も歯科記者クラブの一員として、日歯連盟の記者会見など取材を続けさせていたいただき、経過を見守っていました。現在の高橋英登会長は人格的にも素晴らしい方で、日歯連盟側の言い分をさまざまな角度から検証することができました。

そうしたなかで私が明確に言えることは、これは私利私欲のために行った行為ではないということです。歯科界の発展のために、ひいては国民の健康を守るためという「大義」がそこには存在していました。政治的イデオロギーとは関係なく、政権を担い執行権を有する政党に働きかけて歯科の保険制度を守ることは、歯科界全体のためになると信じて行ったものでした。

確かに、脇が甘かったとは言えるかもしれません。政党に働きかけるという行為は、賄賂性が発生しやすく危険だという意見もあるでしょう。ただ、取材の過程で、違法なことは駄目であることくらいは日歯連盟の方々は熟知し、顧問弁護士に充分相談したうえで実行した寄付であったこと、そして顧問弁護士は現在でも「法律的にはなんら問題ない」と一貫して説明していることから、事件の深淵が見えてくるように感じます。



ここのところ暖かく、通勤経路で庭の桜が咲いているお宅がありました。

日歯連盟側は、村田先生以外の裁判も含め、今後も「無罪」を主張していきますが、無実であるということが当然の前提です。無実の人間が「有罪」判決を受けた時点で「冤罪」は確定します。冤罪は国が個人に行う最大の人権侵害であり、冤罪を晴らすことは国との戦いです。
現在、日歯連盟側は、もともとは国側にいた検察官を退官したいわゆる「ヤメ検」の弁護士を信頼しているようですが、僭越ながら私の本音を言わせていただければ、国と戦えるのは反体制派の反骨の気概を持った法律家でないと難しい面があるのではないかと思います。

日歯連盟の迂回寄付事件が冤罪であれば、必ず春は来ます。というか、皆の応援で冤罪をすすぎ、冬の時代を終わらせなければなりません。
「すすぐ」という言葉は「雪ぐ」と書きます。日歯連盟関係者の心を凍らせた事件の雪解けと春の到来を心から願っています。
 

このページのトップへ