編集長のブログ⑬ もし「歯科個別指導」の通知が来たら・・・
今年は2年に一度の診療報酬改定の年です。4月からの改定に向けて2月に個別改定項目が発表されましたが、3月8日は都道府県歯科医師会社会保険担当理事連絡協議会があり、詳細な資料が配布されます。これについては明日の取材後、また本ブログで報告させていただきます。
ある歯科医師の先生から、「医学的根拠に基づいて治療しているのに、この処置の算定が認められない理由がわからない」「よその県は認められるのに、どうして自分のところはダメなのか・・・」などの声を聞きました。あれは良くてもこちらは認められないとか、認められても点数が低いとか、不満の多くはその評価に対する問題です。
保険診療に携わる歯科医師の先生方を悩ませていることの一つに、個別指導があります。弊社発行『季刊・歯科医療』に「歯科界の歩き方」を好評連載中の小出一久先生(神奈川県開業)は、「個別指導には、①新規個別指導、②集団的個別指導の個別指導部分、③個別指導の3タイプがある。これには日頃の備えが大切である」と述べています。経営コンサルタントとしても活躍され個別指導に詳しい小出先生は、まず「保険診療のルールを熟知すること。不正請求は絶対にしない。算定要件を満たしていることを常に意識する。レセプトがどのように提出されているか意識する。保険診療、自費診療を明確に分けて、混合診療、二重請求にならないようにする。患者さんとのトラブルは避ける」ことを強調しています。
そして、いよいよ個別指導の通知が来たら、「この3週間は個別指導を最優先にして、寝食を忘れるほどに集中して準備をする」「準備状況によっては、1週間ほど前から診療を減らす、休診にするなどの対応が必要な場合もある」とも言います。
個別指導は、いざその時が来たら、院長がまさに心血を注いで乗り越えなければいけない大きな壁なのです。
今後、レセプト電算請求の完全実施により、審査がより厳しくなり、査定、返戻が増えることが予想されます。何より重要なのは、保険診療のルールに沿った正確なカルテ記載です。自費診療のみの先生はともかく、多くの歯科医院にとって、患者さんの信頼を得るために、保険診療はとても大切です。
厚生労働省がどう考えているかを十分理解し、自己流の解釈をしないこと。そのために弊社『季刊 歯科医療』の記事がお役に立てるよう、今後も有意義な企画を進めたいと思います。