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編集長のブログ⑪ 求められる「かかりつけ歯科医機能」への対応

 平成28年度診療報酬改定において2月10日、中医協の答申が出ました。それを受け本日、日歯会で歯科診療報酬に関する臨時記者会見がありました。今回、注目されるのは、「かかりつけ歯科医」の問題です。

 【遠藤秀樹常務理事(保険担当)の会見内容】

「今回の診療報酬改定においては超高齢社会の到来や国民の医療ニーズの多様化の中で、歯の形態回復を主体とした医療機関完結型の歯科医療から、それらに加えて口腔機能の維持・回復の視点も含めた地域包括ケア(地域完結型医療)における歯科医療提供体制の構築を目指しました。そこで、かかりつけ歯科医機能を評価するために、“かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所”として設定されました。

 従来、歯科医院の多くは『行きつけ』の歯科医院と言われてきました。また、これをもって“かかりつけ歯科医”と言われることもありました。今回の診療報酬改定で“かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所”として設定された“かかりつけ歯科医”とは、地域包括ケアシステムの中で地域完結型医療を実現する機能を伴うことを意味します。口腔機能の維持・改善により国民の健康寿命の延伸とQOLの改善を図るという目標に向かい、安心・安全で納得できる医療提供体制の中で、ライフステージに応じた包括的および継続的な歯科医療の提供、外来から在宅までの切れ目ない歯科医療の提供、必要に応じた医療連携や多職種連携による歯科医療の提供を実施している歯科診療所を評価するものです。

 今後は、超高齢社会の中で医療と介護の一体となったサービスの提供が求められており、良質で効率的な歯科医療の提供に向け、多くの歯科診療所が『かかりつけ歯科医機能』を発挿できるような対応が求められます。」 

 超高齢化社会の到来と口腔衛生に対する国民のニーズの高まりの中で、かかりつけ歯科医制度がうまく機能すれば、患者さんにとっても非常に喜ばしいことです。今回の診療報酬改定で、地域包括ケアシステム推進の足がかりができました。開業歯科医院全般としてはまだまだ発展途上の分野ではありますが、今回の診療報酬改定により、土壌としての底上げ効果が期待できるのではないでしょうか。

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