編集長のブログ⑧ インプラントの即時荷重は世界的な潮流
インプラント治療における1回法と2回法の選択は、それぞれの利点と難点、適応症の関係も含め、論が分かれるところでした。しかし現在は、可能であれば1回法(即時荷重)が望ましいという時代が、既に来ているのではないでしょうか。
『季刊・歯科医療』で「即時荷重インプラントの最前線」を好評連載中の松元教貢先生は、開業医としてこの分野で常に最先端を走り続けてきたパイオニアともいうべき方ですが、即時荷重は世界的な潮流であると述べられています。患者さんのための低侵襲治療、すなわちMIを追究すると、即時荷重に行き着くのは必然だと思います。
弊社のスタッフの一人が、昨年、インプラントを入れました。差し歯の前歯の歯根が破折し、抜歯を余儀なくされた結果です。コアが斜め方向に稙立されていたことも一因となり経年的に破折に至り、根尖部には慢性的なリージョンが形成されていました。当初は抜歯を嫌い、渋谷区の井澤常泰先生にMTA治療をお願いするも、破折歯では無理な相談です。井澤先生から、難しい状態なので審美の得意な先生のところに行くようにとのアドバイスをもらい、以前弊誌(2011年冬・春・秋号)でインプラント審美修復治療の短期連載を執筆してくださった、横浜の老川秀紀先生に治療をお願いしました。
老川先生の選択はもちろん、抜歯即時埋入インプラントです。隣の天然歯と区別がつかないような治療結果で、本人も満足でした。老川先生によれば、この症例は即時荷重でなければ逆に難しいという症例だったようです。手術が1回で済むということだけでなく、リージョンの有無や抜歯窩の状態などで、即時荷重こそが望ましい適応症があるのだと、改めて認識しました。
弊社では、今後も即時荷重インプラントの最新の情報を読者の皆様にお届けするべく、企画を検討しています。是非ご期待ください。